自分を見失いそうになったら

いきなりですが、「新世紀エヴァンゲリオン」というアニメを見聞きしたことはありますか?
君たちと同じぐらいの、14歳の中学生が「汎用人型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオン」というロボットに乗り込み、
どこからかやってくる未知の生命体「使徒」と戦って世界を守ろうとするストーリーのアニメです。
僕はこのアニメが大好きで、学生の頃にTSUTAYAでレンタルDVDを借りて何度も見ていました。
エヴァンゲリオンには多くの名シーン、名セリフがあるのですが、
その中でも僕は主人公の碇シンジの「僕はここにいてもいいんだ!」というセリフが大好きです。
アニメ最終回でシンジ君が言い放ったこのセリフがとても大好きです。
さて、皆さんいきなりいったい何の話なんだと思われたでしょうが、
今回はこの「僕はここにいてもいいんだ!」といったような”自己肯定感”が自信を育む原動力であるというお話です。
まず、自己肯定感とはいったい何なのかというと、
自分の価値や存在意義を肯定している気持ちのことを言います。
たとえば、「自分には居場所がある」「自分は手放しで愛されている」「自分の存在が無条件で認められている」
といったことを自分に対して素直に思える気持ちのことです。
ここで何を言っているのか難しいと思う部分は、
自分の存在が無条件で認められていると素直に自分で自分に思えるという部分です。
ふだん、僕らは自分が人からどう思われているのかということはときどき気にしたりしますが、
自分が自分に対してどう思っているのか
ということをあまり考えたりしません。
それはなぜかというと、自分が自分に対してどう思っているのかを考えるというのは、
ふだん気づきにくいなかなか高度な思考だからです。
だから、何を言っているのか難しいと思っても全然ふつうです。
ですが、”自己肯定感”というものは確かに皆さんの自信を育む原動力となっています。
さて、この”自己肯定感”ですが、
初めは親からの無条件の肯定で少しずつ育っていきます。
親からの無条件の愛情と言い換えることもできます。
皆さんが幼いころから
「あなたがこの世に生まれてきてくれただけでオールOK!」「あなたが元気でいてくれるだけでオールOK!」
と示してもらってきたことで皆さんの自己肯定感は少しずつ育ってきました。
しかし、実は皆さん日本の子どもたちは、世界的に見て自己肯定感が低いという調査結果が出ています。
たとえば「自分自身に満足しているか?」というアンケートでは、
だいたいの国で70~80%の若者が満足していると回答しているのに対して、
日本の若者は45.8%の若者しか自分自身に満足していないそうです。
また、「自分には長所があるか?」というアンケートには、
だいたいの国で70~90%の若者があると回答しているのに対して、
日本の若者は68.9%にとどまっているそうです。
日本の若者がおのおの、いつから自己肯定感を持ちにくくなってしまったのか
掘り下げていくことは難しいのですが、おおよそ当たっているのは、
皆さんも私を含む大人たちもいつからか「能力や結果で評価される環境」で
長く過ごしていることにその理由を求めることができそうです。
いつからか
「テストで良い結果を取らないとほめてもらえなくなった」
「勉強しないと叱られるようになった」
「頑張らないと周りが認めてくれなくなった」
ことが、自己肯定感を少しずつ蝕んでいっているようなのです。
ここまで言っておいてなんなのですが、「能力や結果で評価される環境」を否定することはなかなか難しいです。
日本は資本主義の国であり、自分の仕事を認めてもらうことで対価を得て生活を営むことができる国なので、
仕事をせずに生きていくのはなかなか難しいんです。
しかし、「能力や結果で評価される」が
「能力や結果でしか自分自身の存在を認めてもらえない」にいつの間にかすり替わってしまい、
その物差しで自分自身を測ってしまっていることが、自己肯定感を少しずつ蝕んでしまう一つの原因なのです。
もし、皆さんの中で自分は自己肯定感が低いなー…と思う方がいれば、
この自己肯定感というものにいろいろと思いや考えを巡らせてみてください。
「やる気が出ない」「ものごとに興味がわかない、つまらない」「やりたいことがない、わからない」と思う方は、
自分の幼いころのみずみずしい記憶にぜひ思いを巡らせてみてください。
皆さんが初めてつかまり立ちをしたとき、
初めて歩いた時、
初めておつかいに行けたとき、
初めて自転車に乗れたとき、
きっと親御さんや周りの方々はすごく喜んでくれたにちがいありません。
そして今でも、その無条件の愛情に揺るぎはありません。
大丈夫。皆さんはちゃんと自分の存在を手放しで認めて喜んでもらえています。
そのことに気づくことができれば、
「自分は愛されているんだ」
「自分の存在を手放しに認めてもらえているんだ」
「自分はここにいてもいいんだ」
と気づくことができれば、もう大丈夫。もう皆さんは最強です。
さて、自己肯定感を味わうこととあわせてもし勉強に困っていたら、ぜひ頼ってきてください。
勉強が大切だと何となくでもわかってる、勉強ができるようになりたいともちゃんと思ってる、
でも勉強のやり方がわからない、どうしたらいいの?ってときは、ぜひ頼ってきてください。
皆さんの存在ごと、お力添えいたします。